SaaS note

B2B SaaS企業の代表ブログ。SaaSに関する話題や日々のあれこれ。

SaaS企業なら知っておきたい LTV のあれこれ

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今回は、LTV の概要と LTV を把握する重要性について書きました。

LTV とは?

LTV とは、Life Time Value の略で、「1人の顧客から生涯を通じてどれだけの収益を得ることができるか」を表す指標です。当然解約率が高ければ、生涯を通じて顧客が企業に支払う金額は少なくなってしまいます。私の会社でも、LTV を算出して、「LTVを最大化するために何ができるか?」ということを日々考え、試行錯誤している状況です。

LTVの算出方法

まず、LTVの計算式で使用する言葉についてご紹介します。

・ARPA(Average Revenue Per Account)

ARPA は、顧客1人あたりの平均収益を意味します。SaaSの場合、Average MRR Per Account と覚えておくといいでしょう。1人の顧客から月に平均いくらの収益が得られているかという指標です。注意点としては、月次収益(MRR)には単発の導入コンサルティングなどで得た収益は含めないということです。顧客が製品を利用する際に支払う月額利用料によって得られた収益だけで考えます。“MRRの合計金額” を“顧客数” で割ることで、“ARPA” を算出可能です。

・Gross Margin

Gross Margin は、売上総利益率(%)を意味します。“収益(Revenue)”から “売上原価” を引くことで、まず “売上総利益(Gross Profit)” を算出することができます。Gross Marginは、売上総利益率(%)を表すため、計算式はこのようになります。

<計算式> Gross Margin(%) = {収益(Revenue) - 売上原価 } ÷ 収益(Revenue)

例えば、収益が1,000万円で、売上原価が200万円だったとしましょう。この場合、売上総利益は800万円となります。そして、売上総利益率(%)は、80%となります。

また、売上原価には下記のような費用が含まれます。

  • サーバー費用
  • アカウント管理コスト
  • 材料費
  • 直接労務費 など

・Churn Rate

Churn Rateは、解約率・離脱率を意味します。Churn Rateについては、こちらの記事をご参照ください。

計算式

LTV = {ARPA × Gross Margin} ÷ Customer Churn Rate

【例】
ARPAが5,000円で、Gross Marginが80%、Customer Churn Rateが5%のSaaSを運営しているとします。 すると、LTVは80,000円だということがわかります。

{5,000円 × 80%} ÷ 5% = LTV 80,000円

LTVを知ると何に役立つの?

LTV を把握する意義は、大きく下記の2つではないでしょうか。

1. 新規顧客の獲得にかけられるコストの決定

基本的には、LTV 以下の金額をかけて新規顧客を獲得する必要があるでしょう。1人の顧客が生涯を通じて私たちにもたらしてくれる収益がわかるため、それ以上のコストを新規顧客の獲得に使ってしまえば、当然マイナスになってしまいます。

2. 顧客価値への正しい認識を得る

例えば、複数の契約プランがある SaaS を運営している場合、ARPA や Churn Rate といった指標がそれぞれのプランごとに異なるはずです。LTV をそれぞれで算出することによって、顧客価値に関する正しい現状認識を得ることができます。これによって、自社ビジネスの健全性について理解を深めることができるでしょうし、LTV を最大化するためのアクションを考えることもできるでしょう。

おわりに

今回はSaaS企業にとって非常に重要な指標「LTV(Life Time Value)」について触れました。私も試行錯誤の真っ最中ではありますが、まずは自社サービスの LTV を算出し、可視化することが重要だと思います。現状に対する正しい認識を持つことができれば、具体的な改善施策を考えていくこともできるはずです。